空間クエリは、指定したエリア内をグリッド(格子)に分割し、施設距離やハザード条件に基づいて各セルを評価する適地分析ツールです。
「保育園から300m以内」「浸水区域外」など複数の条件を組み合わせて、条件を満たすエリアを地図上に可視化します。
主な特徴
- ウィザード形式 — エリア指定→条件設定→結果表示の3ステップ
- グリッド分析 — 10〜100mのグリッドでエリアを細分化して評価
- 施設条件 — 保育園・病院・駅など15種類以上の施設で距離条件
- ハザード条件 — 洪水・土砂・津波・液状化などの災害リスク区域
- 2つの評価モード — 適合度(合否)とスコアリング(得点)
- 高度な可視化 — ボロノイ図・距離グラデーション・密度ヒートマップ
- 到達圏 — 徒歩・車の移動時間ベースでエリア指定
- GeoJSON出力 — 分析結果をダウンロード
Step 1: エリアを指定する
フリーハンド・円・ポリゴン・到達圏のいずれかで分析対象エリアを描画します。エリアの面積とグリッド数が自動計算されます。
Step 2: 条件を設定する
施設距離条件やハザード条件を追加します。複数条件をAND/ORで組み合わせ可能。グリッド解像度(10〜100m)も調整できます。
Step 3: 結果を確認する
グリッド分析結果が地図上に表示されます。統計サマリー・可視化オプション・GeoJSONエクスポートが利用できます。
到達圏(アイソクロン)
指定地点から徒歩または車で一定時間内に到達できる範囲を自動計算します。
- 移動手段: 徒歩(foot-walking)/ 車(driving-car)
- 時間範囲: 5分 / 10分 / 15分 / 30分
エリア情報の表示
描画後、エリアの面積(km²/m²)と推定グリッド数が表示されます。グリッド数が多すぎる場合は、エリアを狭くするかグリッド解像度を下げてください。
条件は大きく施設条件とハザード条件の2種類に分かれます。
施設条件
施設との距離で条件を指定します。
- ○○から300m以内(within) — 施設に近いエリアを探す
- ○○から500m以上(beyond) — 施設から離れたエリアを探す
ハザード条件
災害リスク区域との位置関係で条件を指定します。
- ○○区域外(outside) — リスク区域を避ける
- ○○区域内(inside) — リスク区域を対象にする
条件の組み合わせ
複数の条件をAND(すべて満たす)またはOR(いずれかを満たす)で組み合わせられます。
グリッド解像度
スライダーで10m〜100mのグリッドサイズを調整できます。デフォルトは50mです。解像度を上げるほど詳細な分析ができますが、処理時間が長くなります。
以下の施設カテゴリから条件を設定できます。
データソース
施設データは不動産情報ライブラリ(国土交通省)とOpenStreetMapの2つのソースから取得しています。
以下のハザードデータを条件として利用できます。
液状化リスクの詳細分析
液状化条件はベクタータイル(MVT)ベースの高精度データを使用し、ピクセル単位での判定を行います。レベル1(低い)〜6(非常に高い)の6段階で評価されます。
グリッドの評価方法は2つのモードから選択できます。
適合度モード
- すべての条件を満たす → 緑(適合)
- いずれかの条件を満たさない → 赤(不適合)
- 二値評価でわかりやすい
スコアリングモード
- 条件ごとにポイント(正/負)を設定
- 合計スコアの高低で色分け(薄灰〜濃緑のグラデーション)
- 条件の優先度や重みを反映した柔軟な分析
- スコア分布の統計(最大・最小・平均)を表示
使い分け
「浸水区域外」のような必須条件は適合度モードで確認し、「駅が近いほど良い」のような優先度のある条件はスコアリングモードで分析するのが効果的です。
結果表示画面では、以下の4つの可視化レイヤーをトグルで切り替えられます。
ボロノイ図の活用
ボロノイ図(ティーセン多角形)は、各施設に最も近い領域を多角形で表現します。保育園・病院・避難所などの空白地帯(サービスが届きにくいエリア)の発見に有効です。
分析結果をGeoJSON形式でダウンロードできます。
出力内容
- ファイル名: spatial-query-results.geojson
- 形式: FeatureCollection(各グリッドセルがFeature)
- 属性: セル中心座標(lat/lng)、適合判定(match)、条件詳細
GISソフトでの活用
ダウンロードしたGeoJSONはQGIS・ArcGISなどのGISソフトで開けます。さらに詳細な空間分析や、他のデータとの重ね合わせに活用できます。
🏢 不動産・開発
- 出店候補地の適地分析 — 「駅300m以内」「スーパー500m以内」「浸水区域外」
- マンション開発の候補地選定 — 施設の充実度をスコアリング
- 液状化リスクを避けた宅地開発計画
🏛️ 都市計画・行政
- 保育園・病院などの公共施設空白地帯をボロノイ図で発見
- 避難所のカバー率を分析(避難所から500m以上のエリアを可視化)
- 到達圏分析で公共交通のサービス圏域を評価
🏡 住まい探し
- 「保育園300m以内 AND 小学校500m以内 AND 浸水区域外」で子育て最適エリアを発見
- 通勤圏(到達圏30分)内でスコアの高いエリアを比較
🎓 教育・研究
- GISの空間分析手法(バッファ分析・ボロノイ分割)の実習
- 都市の施設配置の効率性を定量評価
- ハザードと人口分布の重ね合わせ分析
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